Riding Giants 

大波にのることを至上の喜びとするサーファー達に関するドキュメンタリー映画。素晴らしかった。

「Riding Giants」では、50年代米国に始まるビッグウェーブサーフィンの発展がクロニカルに描かれている。以下、非常に感銘をうけた点。

50年代の米国消費社会に生み出された若者サブカルとしてのサーフィンは、例えばMTVのジャッカスあたりの2000年代スケボーサブカルと本質的に全く変わらないということがこの映画で解る。当時のサーファー達は、親が第二次世界大戦で戦利品として持ちかえったナチスの軍服を押し入れから引っ張りだして着て、その姿で海岸まで続く下水溝を滑り降りたり、車に変なペイントを施したり、既にその手のいたずらー自己主張、反社会的行為ーが大好きなのだ。豊かな消費社会の生み出す若者のサブカルというか、風俗には、まるで歴史が存在しないかのよう。あるいは、ジャッカスとかあの手のものが、米国消費社会サブカルの保守本道コンサバ路線なのだとも言えるわけで、なんかあたまがくらくらした。

しかし、あたりまえではあるが、サーフィンの喜びとは、そうした風俗的な諸事云々にあるのではなく、サーフィンそのものにある。波に乗るという行為のもつ純粋な行為としての側面をこの映画「Riding Giants」はよく描くことができていると思う。

もっともこの「純粋な行為」とは何か。とりあえずサーフィンという行為が持つ「純粋な行為」を直感するわけだが、自分自身あまりにもサーフィンのことを知らないから、この直感がまったく受肉していないー身体性の裏付けのない−直感だから、こうやって書いてるにもかかわらず、説得力が無い話になってしまう。

ただ、この映画を観て、サーフィンの快楽というか享楽というかそうしたものを感じとることはできる。それはとてつもなく強力な喜びで、それはどうやら技術と勇気と精神と死に関連しているということが解るのである。

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そういえば以前「Step into liquid」というサーフィン映画を観に行って、やはり面白いなあと思ったことがあった。以下はそのときの記事。

映画ステップイントゥリキッド (2004/8/28)


[2008/01/29 00:30] films | TB(0) | CM(0)

サブアーバンライフなるもの 

例えば、深夜1時半、最寄りの駅にたどり着き−電車はどっかの駅で線路に人が降りたとかかで15分遅延ー明日は10時からビジネスミーティングだなあ、やれやれ、などと思いつつ、なぜか駅前のチェーン店系居酒屋の重力に打ち勝てずにひきこまれてしまい、妙に薄味の純米酒ーグラス、受け皿及び受け升になみなみとその妙に薄めの純米酒(690円也)を注がれる意味不明の過剰サービスを享受しつつ、タコブツ(480円也)をとりあえず注文し、iPodでは古内東子の「誰より好きなのに」が流れ出し、それじゃあついでに松原みきの「真夜中のドア」でも聴いちゃおか、ってな深夜特有のへんなセンチメンタリズムに落ち入りつつーいざ聴いてみると全くセンチな気分にはなれず、しらじらとしつつも、カウンター前のちょうど1ダース分の鯵(あじ)が明日明後日の命だとも知らずにひらひらときらきらと泳ぐ水槽を注視めながら、iPodのシャッフル機能の僥倖により、セロニアス・モンクのコルトレーンと一緒にやったライブ版が流れ出したらいきなり鯵(あじ)たちが生き生きと見えだして、たこぶつ終了、続いてオーダーした「青なまこ酢」(480円也)をコリコリココリコリとやりながら、耳はモンク&コルトレーン、口はナマコをコリコリコリコリ、目線は鯵1ダースの群舞という、いわば至極のサブアーバンな快楽が、こんなところで、こんな時間に味わえるとは。
[2008/01/19 02:36] various | TB(0) | CM(0)

ジャムセッション@田園調布 

先週土曜日にlittle giantという田園調布のライブハウスでのジャムセッションに参加してきました。これはジャズのジャム・セッションです。little giantはこんなところにライブハウスが!ってな場所の地下にあります。中にはいるとびっくりするくらい広く、天井高く、素晴らしいスペースが広がっておりそれだけで既に感動的です。オーナーの酒井さんもいい人でしかもテナーサックスがバリバリ、ホストバンドもバリバリで、いい時間を過ごしました。報告まで。
[2008/01/17 03:05] gig/session | TB(0) | CM(2)

比較 言語化 習得 選択 

先日都内某所での新年会にて、ジャズピアノ奏者によるソロピアノアルバムばっかり聴くことができた。となると、当然、比較するわけである。プレイののスタイルの比較とか、音の質、そして録音。

人は意識的にであれ無意識的にであれ、常にものを比較している。例えば、赤という色は、それ以外の色との差異によって赤である。従って赤い、と口ずさむとき、人は赤でない色との差異によって赤という色を意識せざるを得ないのである。

例えば、あるプレイヤをいいと思うとき、それは他のプレイヤとの比較において、相対的にいいと思ってるわけである。「いい」というのは、「悪い」とか「まあまあ」とかそういった別の言葉との差異によってなりたつのだから。

さて、この比較による優劣の知覚は、演奏者、特に楽器の上達を目指すものにとっては、自らの演奏技術の向上の契機として非常に重要だと思うのだ。しかし、その優劣の知覚、すなわち、「あるプレイヤのこのプレイはすごくかっこいい」と思う気持ち、これを、どう生かすか、どう自分のプレイ向上に還元できるか、それはまずは、その知覚の徹底的な分析によってしかないと思う。この分析とは、別の言葉でいえば、言語化である。「かっこよさ」なるものをを成り立たせている諸要素を、できるだけもれなく、言語化してみること。この言語化には、譜面にすることも含まれる場合もあるだろう。どこがどのようにカッコいいのか、それを明確に意識すること。それはその「かっこよさ」なるものを言葉にする、「かっこよさ」を構成する諸要素に分解し、理解を高める以外にない。

かりにあなたが天才であれば、そんな作業は必要ないかもしれない。かっこよさを分析(言語化、あるいは諸要素の束に分解)すること無しに、それを体現することがでるならば、私はそれを天才と呼びたい。天才も習得のための練習は必要だ。但し天才は、習得のための分析を必要としない。つまり言語化のプロセスを必要とせず、現象をただ現象として習得できるものが天才だと思うのだ。

しかしあなたが天才でなければ、かっこよさなるものは、分析というプロセスなしにあなたのものにはならない。

比較というのは優劣の判断を人に突きつける。もちろん相対主義もよいだろう。しかし、多くの人はそれほど器用ではない。しかし同時に多くの人は怠惰だ。選択には勇気が必要なのだ。あるものを「かっこいい」と口ずさむとき、意識的無意識的の違いにかかわらず、他のものとの比較がその言辞の背景にあるということを理解しておくことは重要だと思うのである。
[2008/01/12 13:50] music in general | TB(0) | CM(0)

多謝 

今回もつくづく、ジャムセッションはみんなで作ってくもんなんだなあ、と思いました。7時過ぎから11時半過ぎまで、いろんなことがあってとても書ききれません。来てくださった方に本当に感謝です。ありがとうございました。
[2008/01/09 00:33] gig/session | TB(0) | CM(0)

正月はテレビ(駅伝 イチロー) &告知 

正月はなんといっても箱根駅伝。こっくりこっくりしながらも、朝8時から2日連続で観ました日テレ。

今年は3チームも途中棄権という珍しい事態が発生し、関東学連選抜チームが入賞しちゃうとか、去年優勝の順天堂が最初から大コケだったりとか、なんだか珍現象がてんこ盛りの大会でしたが、飽きませんね、箱根駅伝(既に来年が楽しみ)。

20チーム、200人の選手が全員調子いいわけないし、1チーム10名だって調子いい選手揃えるのは難しいんだよね。で、みんな必死にタスキを繋ぐために、「責任」を感じて必死にがんばることになる(トップから10分離されると、タスキをつなぐ前に繰り上げスタートになっちゃう)。あと10位以内だと来年シードになるから10位以内に入るための争いがまた面白い。

本当によくできている競技だと思います。あの箱根の山を登るってのも、よくできている設定だなあ、と思う。

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イチローのドキュメンタリー(なのかなNHK)
イチローは、毎日決まったことを決まったように行っていく。7年間ずっと朝昼兼のカレーを食い続け、同じウォーミングアップを行い、試合が終わると足裏マッサージ機。

そうした儀式的生活と、打撃技術の休み無い更新・発展は、どうやら表裏一体なのだ。すべては、どうしたら「よりよく打つことができるか」という、ある意味禅問答といってもよいだろう果てしない問いへの回答を生み出すために回っているように思える。

問いがシンプルだから生活もシンプルなのだ、と思った。ただし、イチローの場合、それを複雑にするのは多分プレッシャーというやつだ。当たり前のことではあrが、天才イチローも社会的な生き物なのである。

足裏マッサージ機を欲しくなったマス消費者な俺とほほ。

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告知
1/7(月)に新宿golden eggでジャムセッションをします。
http://g-egg.info/top.html
ホストは椎名(B)、森孝人(G)、工藤明(D)
チャージ1000円プラスワンドリンク500円
よかったら遊びにきてください。音楽的な出会いの場になればいいなあと思っております。
[2008/01/04 11:48] various | TB(0) | CM(2)