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インマゼールの第九

かつての時代のかつての奏法、ピリオド楽器を採用しピリオド奏法により演奏する小編成オーケストラによる第九。

現代の一般的なオーケストラは、例えば弦楽器セクション全体でもベートーヴェンの時代のそれとくらべて2、3倍の人数構成で、しかも19世紀の後半から一般的になったヴィブラートをガンガンかけた奏法で弾かれるため、その音は分厚く、甘く、ロマンチックになる分、細かいパッセージがぼやけてしまったり、指揮のテンポ設定や変動について行けなくてアンサンブルが乱れてしまう場合も多い。

ピリオド楽器のオーケストラではヴィブラートが多用されない。19世紀後半以前の演奏スタイルを採用するストリングスの響きは、現代の一般的なオーケストラのそれと異なる実直な底力を持ち、そして何よりも不思議な透明感を感じる。

ピリオド奏法系のベートーヴェンの交響曲はノリントンが1987年に全集を出したあたりが嚆矢ではなかろうか。ノリントンのこのときの録音では1番あたりに良さを感じる。しかし、第九については少々奇をてらいすぎているのではなかろうかという気がしてしまう。

このインマゼールの第九は、ピリオド楽器利用、ピリオド奏法での少なめの演奏者による演奏にも関わらず、しっかりとした風格とスケールを持った演奏になっていると感じた。小編成らしい機動性(小回りが利く感じ)が売りなのではなく、むしろコントラバスの分厚い低音で重心を低くしている現代オケとは異なる重々しささえ感じる。4楽章のチェロとコントラバスから静かに始まる「歓びの歌」のストリングスの響きは必聴。


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インマゼール&アニマ・エテルナ/ベートーヴェン:交響曲第9番

ピリオド奏法の採用は、懐古趣味ではなく(懐かしむどころか既にほとんど失われているものである)、新しいものを発見=生産する営みであると思う。ピリオド派には当時の作曲家の意図に対する忠実性を強調する向き(特殊な原典主義)もあるようだが、小生にはそれは遠近法的倒錯に感じられる。たとえば、大指揮者の時代の演奏が、「その時代の演奏」であったのと同様に、ピリオド奏法の演奏は「今の時代の演奏」なのである。楽曲には楽曲のもつ歴史性があり、またその楽曲の演奏には、演奏の歴史性がある。また楽曲の原典等を明確にするアカデミックな努力もあるが、それもまた現代的な(つまり歴史性を有した)営みである。"過去の再現"を通して現代(の表現)を現前化させること、それこそが重要なポイントであり、作曲家の意図云々は、そのための媒介に過ぎない(と小生は思う)。言い換えれば、作曲家の意図云々といってるのはあくまでも現代の演奏者の意図なのだということ。演奏者は霊媒師ではないのである。





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